英国規制当局、4社のクラウド事業者を「重要第三者」として指定し監督へ
キーポイント
- 01英国財務省はAWS、Google Cloud、Microsoft、Oracleを初のCTPに指定しました。イングランド銀行、PRA、FCAによる共同監督は2026年7月13日に開始されます。
- 02本制度は、大手テクノロジー事業者の障害が英国金融システム全体へ波及するリスクを抑えることを目的としています。
- 03指定事業者は、重要サービスのリスクを管理し、重大インシデント時には規制当局および影響を受ける金融セクターの顧客へ速やかに連絡しなければなりません。
- 04監督権限は、2023年金融サービス・市場法により改正されたFSMA 2000に基づくものです。CTP規則は、英国財務省による指定後に適用されます。
英国財務省(HM Treasury)は、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud、Microsoft、Oracleを、英国金融セクターにおける初の「重要第三者」(Critical Third Parties:CTP)に指定しました。イングランド銀行、健全性規制機構(PRA)および金融行為規制機構(FCA)は、2026年7月13日からこれらの事業者に対する共同監督を開始します。
本制度は、英国の規制対象金融機関および金融市場インフラにとって重要なサービスのオペレーショナル・レジリエンス(業務継続力・復旧力)を強化することを目的としています。大手テクノロジー事業者で重大な障害が発生した場合、その影響が複数の金融機関に広がり、金融システム全体に波及するおそれがあるというリスクに対応するものです。
指定対象となったのは、Amazon Web Services EMEA SARL、Google Cloud EMEA Limited、Microsoft Ireland Operations Ltd、Oracle Corporation UK Limitedです。規制当局は、これらの事業者が英国金融セクターに提供する重要サービスのレジリエンスに重点を置き、リスクに見合った比例的なアプローチで監督を行います。
CTPには、重要サービスに関するリスクを特定・管理し、規制当局および金融セクターの顧客と、開かれた形で適時に連絡を取ることが求められます。特に重大インシデントの発生時には、迅速な情報共有が必要です。3規制当局はまた、複数の金融機関に同時に影響し得るシステム全体のリスクについても、各事業者と連携して対応します。
イングランド銀行、PRAおよびFCAは、2023年金融サービス・市場法(Financial Services and Markets Act 2023)により改正された2000年金融サービス・市場法(FSMA 2000)に基づき、この監督権限を付与されました。規制当局は2024年11月にCTPに関する最終規則および方針を公表しており、これらは2025年1月1日に発効しています。規則は、英国財務省が事業者を指定した時点で当該事業者に適用されます。4社のサービスに依存する英国の金融機関にとって、この指定は、各社の重要サービスの継続性およびインシデント管理に対する規制上の注目が高まることを意味します。