ADGM・FSRAの2025年報告書、金融犯罪対策、レジリエンスおよびデジタル資産の監督を強調
キーポイント
- 01ADGM・FSRAは、金融犯罪の防止、オペレーショナル・レジリエンス、デジタル資産、サイバーリスクおよびアウトソーシングを、2025年の重要な規制上の優先課題として特定しました。
- 02規制当局は、ガバナンス、リスク管理および第三者プロバイダーに対する監督を含む、AMLおよびアウトソーシングの実務をレビューしました。
- 03報告書は、ADGMのデジタル資産および法定通貨参照トークンに関する枠組みの改正、ならびに規制当局によるテクノロジーおよびAIの活用拡大に言及しています。
- 04FSRAは2025年に金融サービスに関する許可を95件付与し、前年比22%増となりました。また、原則承認を120件発行し、前年比32%増となりました。
- 05FSRAは2025年に38件の規制措置を完結させ、924万米ドルの制裁金を科しました。
アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の金融サービス規制庁(FSRA)は、年次報告書によると、2025年に金融犯罪の防止、オペレーショナル・レジリエンス、デジタル資産、サイバーリスク管理およびアウトソーシングの監督を一層重視しました。ADGMのフリーゾーンが拡大する中、規制当局は監督および執行活動も拡充しました。金融サービスに関する許可を95件付与し、これは2024年比22%増でした。また、原則承認を120件発行し、前年比32%増となりました。さらに、38件の規制措置を完結させ、制裁金の総額は924万米ドルに上りました。
Pinsent Masonsの弁護士であるマリー・チョードリー氏およびジェッサ・ホワイト氏は、FSRAの2025年年次報告書は、ファンドマネージャー、フィンテック企業、バーチャル・アセット・プロバイダーを含む機関に対するADGMの金融規制の方向性を示していると述べました。同報告書は、金融犯罪の防止および業務上の障害に耐え得る企業体制の確保を、規制当局の継続的な優先課題として挙げる一方、テクノロジー、第三者プロバイダーおよび共通インフラへの依存度の高まりにも対応しています。
デジタル資産規制は、引き続きFSRAが注視する分野です。チョードリー氏とホワイト氏は、前年にADGMのデジタル資産および法定通貨参照トークンに関する枠組みに加えられた改正を指摘しました。年次報告書では、デジタル資産セクターで事業を行う企業に影響する政策・監督上の取組と併せ、FSRAの監督および認可プロセスにおけるRegTechおよび人工知能(AI)の利用拡大にも言及されています。
FSRAは2025年、マネー・ローンダリング対策(AML)統制およびアウトソーシング契約に関するテーマ別監督レビューを実施しました。アウトソーシングに関するレビューでは、企業のガバナンス、リスク管理プロセスおよび第三者サービスプロバイダーに対する監督を検証しました。このレビューは、金融機関による外部テクノロジー・プロバイダーおよび共通の業務インフラの利用拡大に伴って生じるリスクに、規制当局が注目していることを反映しています。
報告書はさらに、新たなサイバーリスク管理要件および執行活動についても記録しており、両弁護士はこれをADGMの規制環境が成熟しつつある証左と評価しました。許可および原則承認の増加は、FSRAによる監督、認可および執行の各手段の活用と並行して生じており、ADGMにおける規制対象企業および金融サービス活動の増加に伴い、規制上の精査が継続していることを示しています。