BISのプロジェクト・アゴラ、ホールセール越境決済向けトークン化プラットフォームを検証
キーポイント
- 01プロジェクト・アゴラは、ホールセール越境決済に焦点を当てた、BISが説明する官民連携プロジェクトです。
- 02同プロジェクトは、トークン化された中央銀行準備預金および商業銀行預金を用いる、共有型・プログラマブル・複数通貨対応のプラットフォームを検証しています。
- 03想定される決済メカニズムは、ホールセール越境取引におけるアトミック決済です。
- 04同取組みは、決済ファイナリティ、AML/CFTおよびデータ・プライバシーに関する規則への適合性を検討しています。
- 05プロジェクト・アゴラは探索的な取組みであり、それ自体が新たな法的枠組みまたは規制枠組みを創設するものではありません。
プロジェクト・アゴラは、共有型・複数通貨対応・プログラマブルなプラットフォームが、ホールセール越境決済を支援できるかを検討する官民連携の取組みです。同プロジェクトは、中央銀行準備預金および商業銀行預金を共通プラットフォーム上でトークン化して記録し、既存の銀行システムに伴う安全性、信頼性および確実性を維持しつつ、越境ホールセール取引のアトミック決済を可能にすることを目標としています。
国際決済銀行(BIS)は、この取組みを、この種のプラットフォームの望ましさ、実現可能性および事業性を検証するものと説明しています。対象は、消費者向けのリテール決済ではなく、銀行その他の金融機関間で行われる取引であるホールセール決済です。複数通貨に対応するアーキテクチャにより、複数の通貨が関与する取引にも対応することが可能となります。
検討対象となっている中核的な機能の一つが、アトミック決済です。これは、取引の相互に関連する構成部分を同時に決済する仕組みをいい、一方当事者が資産または支払を移転したにもかかわらず、これに対応する取引上の給付を受け取れないというリスクにさらされることを防止します。プロジェクト・アゴラでは、中央銀行に保有される準備預金残高および商業銀行が発行する預金債務をトークン化することにより、共有インフラ上でこの結果を実現できるかを評価しています。
また、同プロジェクトでは、中央銀行マネーおよび商業銀行マネーのトークン化された形態に適用される法的・規制上の要件も扱っています。こうした取決めが、決済ファイナリティ、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)に関する義務、ならびにデータ・プライバシー要件に係る既存の規則に準拠できるかを検討しています。
本プロジェクトは、完成済みの決済システムや規制変更を提示するものではなく、このモデルの運用面および法的側面における実現可能性を試験することを目的とする探索的な協働取組みです。その公表されたアプローチは、中央銀行が準備預金を提供し、商業銀行が預金を提供する現行の二層型銀行システムと、プログラマブルなトークン化決済技術を組み合わせることを目指しています。