シンガポール、CARF税務情報交換協定に署名――2028年の情報交換開始を見込む
キーポイント
- 01シンガポールは2024年11月26日にCARF MCAAへ署名し、2028年から暗号資産の税務情報交換を開始する見込みです。
- 02CARFは、暗号資産に関する税務上重要な情報を国境を越えて自動交換するための枠組みです。
- 03CARFは、報告対象暗号資産、取引、サービス提供者、必要な報告情報および顧客デュー・ディリジェンスを対象とします。
- 04CARFに基づく情報交換関係には、両法域による協定署名、第7節通知の提出、および相互の交換相手指定が必要です。
- 05シンガポールの暗号資産サービス提供者は、顧客の税務上の関係法域に関連する将来のデータ収集・報告義務を想定しておくべきです。
シンガポールは2024年11月26日、暗号資産報告枠組み(Crypto-Asset Reporting Framework、CARF)に基づく自動的情報交換に関する多国間権限ある当局間協定(CARF MCAA)に署名しました。シンガポール内国歳入庁(IRAS)は、CARFに基づく暗号資産の税務情報交換を2028年に開始する見込みです。
CARFは、参加法域間で暗号資産に関する税務上重要な情報を自動的に共有するため、国際的に合意された基準です。暗号資産市場の拡大によって国際的な税務透明性が損なわれることを防ぐ狙いがあります。
この枠組みでは、対象となる暗号資産、データの収集・報告義務を負う事業者および個人、報告対象取引を定めています。また、暗号資産利用者および税務報告に関係する法域を特定するためのデュー・ディリジェンス手続も規定しています。適用対象となる事業体は、「報告暗号資産サービス提供者(Reporting Crypto-Asset Service Providers)」と呼ばれます。
CARF MCAAは、参加する税務当局がこれらの情報を交換するための法的・実務的な仕組みを定めるものです。これは「租税に関する相互行政支援に関する条約」に基づいています。二つの法域間で情報交換関係が成立するのは、双方がCARF MCAAに署名し、必要な第7節の通知を行い、かつ互いを情報交換予定相手として指定した場合に限られます。
シンガポールで事業を行う暗号資産サービス提供者にとって、この動きは、2028年に予定される情報交換に先立ち、CARFに関連する顧客確認、税務上の居住地の確認、データ収集および報告義務が重要になる見通しを示しています。具体的な国内実施要件および報告スケジュールは、ここでは示されていません。