FCAとイングランド銀行、英国ホールセール市場のトークン化枠組みに関する意見を募集
キーポイント
- 01FCAとイングランド銀行は、英国ホールセール市場におけるトークン化の共同枠組みについて業界との協議を開始しました。意見提出期限は2026年7月3日です。
- 02本取組みは、DLTに基づく金融資産のデジタル表現について、規制および市場インフラに関する予見可能性を高めることを目指しています。
- 03両当局は、健全性規制上の取扱い、トークン化担保、決済手段に重点を置くとともに、現行規制やインフラによる制約についての実証的な意見を求めています。
- 04イングランド銀行は、業界の準備状況を前提に、ほぼ24時間365日の決済に向けた段階として、RTGSおよびCHAPSの稼働時間延長を協議しています。
- 05FCAとイングランド銀行は、顧客資産規則、トークン化担保の適格性、ならびに2028年開始目標のライブ・シンクロナイゼーション・サービスについて、追加の取組みを予定しています。
金融行為監督機構(FCA)とイングランド銀行は、英国のホールセール金融市場におけるトークン化について共同方針を示し、業界からの意見募集を開始しました。この取組みは、企業が分散型台帳技術(DLT。取引記録を複数の参加者で共有・管理する技術)を用いて株式、債券、通貨などの資産をデジタル表現として発行・利用する際に、規制面および市場インフラ面での予見可能性を高めることを目的としています。
両当局は、現行の規制や市場インフラがトークン化の安全な利用をどの程度支援し、または制約しているかについて意見を求めています。企業からより明確な指針を求める声がある分野として、健全性規制上の取扱い、トークン化された担保、決済手段を挙げています。寄せられた意見は、デジタル化されたホールセール市場に関する共同ロードマップの策定に活用されます。回答期限は2026年7月3日です。
イングランド銀行はまた、実質的に24時間365日の決済に近づけるため、即時グロス決済(RTGS)およびCHAPSの稼働時間を延長する案についても協議を行っています。段階的な提案には、日次の稼働時間延長と週末稼働が含まれますが、協議の結果および業界の準備状況が前提となります。同行は、トークン化の進展に伴い、これがクロスボーダー決済や新たな決済モデルを支え得るとしています。
健全性規制機構(PRA)は、トークン化資産へのエクスポージャーに対する健全性規制上の取扱い、および預金、電子マネー、ステーブルコインに関する動向について、ガイダンスを更新する「Dear CEO」レターを公表しました。これらのレターは、企業に求められるリスク管理およびコンプライアンス上の期待を改めて確認するものです。
FCAは今後、寄せられた意見を踏まえ、顧客資産ソースブック(CASS)の規則を見直す必要があるかを含め、トークン化に関する追加の検討を進めます。イングランド銀行も、2028年の提供開始を目標にライブ・シンクロナイゼーション・サービスを導入する予定です。さらに、現在適格とされている資産のトークン化版を、中央清算機関における担保および同行自身のオペレーションにおける担保として利用できるよう取り組んでいます。
銀行、投資会社、市場インフラ運営者、トークン化サービス提供者にとって、当面の機会は、最終的な規制ロードマップの形成に関与することです。今回の発表は、トークン化全般を対象とする新たな規則体系を直ちに創設するものではありません。しかし、英国当局がホールセール市場での利用拡大に向け、業務運営、担保、健全性規制の各枠組みを整備しようとしていることを示しています。